プロンプトとは何か
定義
プロンプトとは、ChatGPTなどのAIに入力する質問や指示のことです。同じことを聞いても、プロンプトの書き方によってAIの回答の質は大きく変わります。良いプロンプトを書く技術は「プロンプトエンジニアリング」とも呼ばれ、AI活用の基本スキルです。
「AIに質問しても、思ったような回答が返ってこない」という経験はありませんか?その原因の多くは、プロンプトの書き方にあります。具体的で明確な指示を出すことで、AIは驚くほど的確な回答を返してくれます。
プロンプトの書き方10選
1. 具体的に書く
曖昧な質問には曖昧な回答しか返ってきません。5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して具体的に書きましょう。
比較例
悪い例:「おすすめの本を教えて」
良い例:「30代のビジネスパーソン向けに、リーダーシップを学べる本を3冊、それぞれの特徴と読むべき理由を添えて教えてください」
2. 役割を設定する
AIに特定の役割を与えると、その専門家としての視点で回答してくれます。
役割設定の例
- 「あなたは10年経験のある料理人です。家庭で作れる本格イタリアンを教えてください」
- 「あなたは小学校の先生です。小学3年生にも分かるように、地球温暖化を説明してください」
- 「あなたはキャリアコンサルタントです。転職を考えている30代に向けてアドバイスをください」
3. 出力形式を指定する
回答の形式を指定すると、使いやすい形で情報が得られます。
| 形式指定 | 使用例 |
|---|---|
| 箇条書き | 「〜のポイントを箇条書きで5つ挙げてください」 |
| 表形式 | 「〜を比較する表を作成してください」 |
| ステップ形式 | 「〜の手順をステップバイステップで説明してください」 |
| 文字数指定 | 「〜について300文字程度で要約してください」 |
4. 背景情報を提供する
なぜその質問をするのか、どんな状況なのかを伝えると、より適切な回答が得られます。
背景情報の例
背景なし:「プレゼンのコツを教えてください」
背景あり:「来週、社内会議で新商品の企画を15分でプレゼンします。聞き手は役員5名で、予算承認を得ることが目的です。効果的なプレゼンのコツを教えてください」
5. 段階的に質問する
複雑なタスクは、一度に全部を聞くのではなく、ステップに分けて質問すると良い結果が得られます。
段階的質問の流れ
- 「〜について概要を教えてください」(まず全体像を把握)
- 「その中で〜について詳しく説明してください」(気になる部分を深掘り)
- 「では、具体的に〜する方法を教えてください」(実践方法を聞く)
6. 例を示す
欲しい回答のイメージを例として示すと、AIはそのパターンを理解して同様の回答を返してくれます。
例を示すプロンプト
「以下のような形式で、日本の祝日について説明してください。
例:
【元日】1月1日
意味:新しい年の始まりを祝う日
由来:古来から年神様を迎える日とされてきた」
7. 制約条件を明示する
「〜しないでください」「〜は含めないでください」という制約を伝えることで、不要な情報を省けます。
- 「専門用語は使わずに説明してください」
- 「ネガティブな表現は避けてください」
- 「2020年以降の情報のみを参考にしてください」
- 「日本国内の事例に限定してください」
8. 複数の選択肢を求める
一つの回答ではなく、複数の案を出してもらうと比較検討ができます。
選択肢を求める例
- 「〜のキャッチコピーを5案考えてください。それぞれ異なるアプローチで」
- 「この問題の解決策を3つ、メリット・デメリットと共に提案してください」
- 「〜について、賛成派と反対派、両方の意見を教えてください」
9. フィードバックを伝えて修正させる
最初の回答が期待通りでなくても、そこで終わりにしないでください。何が足りないか、どう変えてほしいかをフィードバックしましょう。
フィードバックの例
- 「もう少しカジュアルな文体に変えてください」
- 「具体的な数字を入れて、説得力を高めてください」
- 「初心者向けに、もっと簡単な言葉で説明し直してください」
- 「3番目の案をベースに、〜の要素を追加して発展させてください」
10. 確認・要約を依頼する
長い文章や複雑な内容を扱う際は、AIに理解内容を確認させると精度が上がります。
- 「私の質問を要約して、正しく理解しているか確認してください」
- 「ここまでの会話を整理して、重要なポイントをまとめてください」
- 「以下の文章を読んで、主要な論点を3つ抽出してください」
プロンプトのテンプレート
以下のテンプレートを参考に、自分の用途に合わせてカスタマイズしてください。
汎用プロンプトテンプレート
【役割】あなたは〜の専門家です。
【背景】私は〜という状況にあります。
【目的】〜を達成したいと考えています。
【質問】〜について教えてください。
【形式】〜の形式で回答してください。
【制約】〜は含めないでください。
まとめ
- プロンプトの質がAIの回答の質を決める
- 具体的に書く、役割を設定する、出力形式を指定するが基本
- 背景情報を提供し、段階的に質問すると精度が上がる
- 最初の回答で終わらず、フィードバックで改善させる
- テンプレートを活用して、効率的にプロンプトを作成する
よくある質問
Q. 長いプロンプトと短いプロンプト、どちらが良いですか?
A. 一概にどちらが良いとは言えません。簡単な質問なら短いプロンプトで十分ですが、複雑なタスクや特定の形式で回答が欲しい場合は、詳細な長いプロンプトの方が良い結果を得られます。大切なのは「必要な情報が過不足なく含まれているか」です。無駄に長くする必要はありませんが、重要な条件を省略すると期待通りの回答が得られません。
Q. 日本語と英語、どちらでプロンプトを書くべきですか?
A. 日本語で問題ありません。ChatGPTは日本語を十分に理解できます。ただし、英語圏の情報が多いトピック(最新のテクノロジー、海外のトレンドなど)については、英語で質問した方がより詳細な情報が得られることもあります。日常的な使用であれば、慣れた日本語で書くことをおすすめします。
Q. 良いプロンプトを書くコツを一言で言うと?
A. 「AIは超優秀だけど、あなたのことを何も知らない新入社員」だと思って指示を出すことです。優秀なので難しいタスクもこなせますが、背景情報や具体的な期待を伝えないと、見当違いの仕事をしてしまいます。「これくらい言わなくても分かるだろう」と省略せず、必要な情報をきちんと伝えましょう。
Q. プロンプトを保存しておく方法はありますか?
A. よく使うプロンプトは、メモアプリやNotionなどに保存しておくと便利です。「議事録作成用」「メール添削用」など用途別にまとめておくと、必要なときにすぐにコピー&ペーストで使えます。また、ChatGPTの有料版では「カスタム指示」機能があり、毎回のプロンプトに含めたい前提条件を設定しておくこともできます。
