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健全AI教育協会
HAIIA NOTES

Haiia Notes

諦めた夢に、もう一度火をつけるための記録。ニュース・記事・レポートで、AIと自己実現の現場を届けます。

記事· 7分で読めます

絵本作家を諦めた40代が、AIと2ヶ月で初作品を完成させるまで

美大受験に失敗し、20年間封印してきた夢。40歳になった今、対話型AIが物語の筋を、画像生成AIがイラストを補い、2ヶ月で初めての絵本が形になった。諦めていた創作の扉が、再び開いた瞬間の記録。

HAIIA

朝の通勤電車で、佐伯は今日もスマホの絵本アプリを開いていた。

40歳、メーカーの営業職。往復2時間の通勤時間に、他人が描いた絵本を眺める日々。画面の中で繰り広げられる色とりどりの世界を見るたび、胸の奥で小さな声がする。「本当は、自分も描きたかった」。

20年前に閉じた扉

佐伯が絵本作家を目指していたのは、高校3年生の春までだった。

放課後の美術室で、画用紙に向かう時間が何より好きだった。将来は絵本作家になると決め、美大の受験対策に通い、ポートフォリオを準備した。だが現実は思い通りにいかなかった。美大受験は不合格。浪人を希望したが、両親は「安定した仕事に就いてほしい」と反対した。

結局、地元の私立大学に進学し、就職活動では営業職を選んだ。20代は仕事に追われ、30代で結婚し、今は小学4年生の娘がいる。絵を描く時間はとうの昔に失った。ノートに下書きをすることさえ、いつしかやめていた。

「諦めたんじゃない。ただ、時間がなかっただけ」

そう自分に言い聞かせてきた。だが、心の底では分かっていた。諦めていたのだと。

娘の一言が、扉を開けた

転機は2026年3月、娘の何気ない報告だった。

「今日ね、学校でAIの授業があったの。パソコンに『森の動物のお話を作って』って言ったら、本当にお話ができたんだよ」

興味を持った佐伯は、娘のタブレットで対話型AIを試してみた。「小さなクマが冒険する物語を考えて」と入力すると、数秒で5つのストーリー案が表示された。どれも筋が通っていて、起承転結がある。

驚いたのは次だった。画像生成のツールに「森の中で迷子になった小さなクマ」と入れると、絵が生成された。完璧ではないが、雰囲気は十分に伝わる。

その夜、佐伯は20年ぶりにノートを開き、物語の構想をメモした。翌朝には、自分専用のAIアカウントを作っていた。

2ヶ月間の、夜と週末

佐伯が最初に取り組んだのは、ストーリーの骨組み作りだった。

対話型AIに「6歳向けの絵本で、主人公は臆病なクマの子ども。森で迷子になるけれど、勇気を出して一歩踏み出す話」と伝えた。AIは複数の展開案を提示してくれた。その中から気に入ったものを選び、細部を自分で書き直す。

週3回、夜10時から12時まで。娘が寝た後のリビングで、AIと対話を繰り返した。

次はイラストだ。画像生成ツールで「臆病そうな表情の小さなクマ、森の中、夕暮れ」といった指示を出す。生成された絵の中から、物語に合うものを選び、構図をメモする。自分でも簡単なラフを描き、AIの出力と組み合わせてイメージを固めていった。

絵が苦手な部分——たとえば背景の木々や光の表現——はAIが補ってくれる。キャラクターの表情や動きは、自分の手で微調整する。完全にAI任せではなく、AIと共同制作する感覚だった。

1ヶ月目の終わりには、24ページ分のストーリーとラフが完成した。2ヶ月目は、デザインの統一と仕上げに費やした。AIツールで生成した背景に、自分で描いたキャラクターを重ねる作業を繰り返した。

娘に見せた、初めての作品

2026年5月8日、佐伯は完成した絵本データを娘に見せた。

タブレットの画面に表示されたのは、『ちいさなクマのゆうき』というタイトルの、24ページの絵本だった。物語は、迷子になったクマの子が、暗い森の中で一歩ずつ前に進み、最後には家族のもとへ帰るという内容。

娘は黙って最後まで読み、顔を上げて言った。

「これ、パパが作ったの?すごい」

その瞬間、20年間凍りついていた何かが、溶けた気がした。涙が出そうになるのをこらえ、佐伯は「うん、AIと一緒に作ったんだ」と答えた。

完璧な作品ではない。プロの絵本作家と比べれば、技術も洗練度も足りない。それでも、自分の手で——AIの助けを借りながらも——物語を形にできたという事実が、何よりも大きかった。

AIは "代わり" じゃなく、"一緒"

佐伯がAIツールを使って気づいたのは、AIは作業の代行者ではなく、協働者だということだ。

ストーリーのアイデアを出してもらうことはできるが、最終的に「どの展開を選ぶか」「どんな感情を込めるか」は自分で決める。イラストも同じで、生成された絵の中から選び、自分の意図に合うよう調整する。AIが全部やってくれるわけではない。むしろ、自分のビジョンを明確にする必要がある。

対話型AIで物語の構想を練る中で、佐伯は何度も「この展開は違う」「もっと優しい表現にしたい」と修正を重ねた。そのプロセスで、自分が本当に描きたいものが見えてきた。

技術がなくても、ビジョンがあればAIと一緒に形にできる。それが2026年の創作環境だと、佐伯は実感している。

次の一歩は、同じ夢を持つ人たちと

現在、佐伯は『ちいさなクマのゆうき』を電子書籍プラットフォームで公開する準備を進めている。出版社に売り込むつもりはまだないが、「誰かに読んでもらいたい」という気持ちは強い。

同時に、SNSで「AI × 創作」のコミュニティを探し始めた。同じように諦めかけた夢をAIで動かし始めた人たちと、情報交換や励まし合いができる場を求めている。HAIIA の仲間募集のようなコミュニティも、今後参加を検討している。

佐伯が目指しているのは、プロの絵本作家になることではない。「自分の物語を形にする」という行為そのものを、もう一度生活の一部にすることだ。

「40歳からでも、諦めた夢はもう一度動かせる。AIはそのための道具じゃなくて、一緒に歩く仲間だと思う」

佐伯はそう話す。次の作品の構想も、すでに頭の中にある。

あなたも、明日から始められる

佐伯のように、諦めかけた創作の夢を持つ人は少なくない。時間がない、技術がない、環境がない——そんな理由で、心の中にしまい込んできたアイデアがあるかもしれない。

2026年の今、対話型AIと画像生成ツールがあれば、スキマ時間で創作を始められる。必要なのは高額な機材でも専門教育でもなく、「やってみよう」という一歩だけだ。

もしAI活用のスキルを体系的に学びたいなら、HAIIA の認定資格のようなプログラムも選択肢になる。HAIIA の3つの軸が示すように、自己実現のためにAIを使うという視点は、これからの時代に必要な考え方だ。

あなたの中にも、20年前、10年前、あるいは5年前に諦めた何かがあるかもしれない。その扉を、AIと一緒にもう一度開けてみてはどうだろう。

よくある質問

AIで作った作品は、自分の作品と言えるのか?

AIはアイデアの提案や素材の生成を手伝ってくれるが、最終的な選択・調整・構成を決めるのは人間だ。作曲家が楽器を使うように、AIを道具として使いながら自分のビジョンを形にするなら、それは十分に「自分の作品」と言える。重要なのは、AIに丸投げするのではなく、対話しながら創り上げる姿勢だ。

絵が描けなくても、絵本は作れるのか?

画像生成AIの進化により、2026年時点では絵が描けなくても視覚的な表現が可能になっている。ただし、完全にAI生成だけで完結させるのではなく、自分の手で微調整したり、構図を指示したりすることで、作品に「自分らしさ」を込めることができる。技術の有無よりも、何を伝えたいかが大切だ。

どれくらいの時間と費用がかかるのか?

佐伯のケースでは、週3回×2時間を2ヶ月間続けて、24ページの絵本を完成させた。費用は、無料プランの対話型AIと画像生成ツールを組み合わせれば月数百円〜数千円程度で始められる。まずは小さなプロジェクト(4〜8ページの短編)から試してみるのがおすすめだ。

About Haiia Notes

HAIIA(健全AI教育協会)が運営するメディア。AI で諦めた夢にもう一度火をつけるためのニュース・実践記事・レポートを、毎日お届けしています。