諦めた絵本の夢、AI と 3 ヶ月で動かした
7年前に諦めた絵本作家の夢。30代の山田さんが対話型AIと画像生成ツールを組み合わせ、たった3ヶ月で12ページの絵本を完成させた。技術ではなく、諦めない気持ちが動かしたもの。
7年前の「いつか」が、ずっと止まっていた
山田は 34 歳。都内の IT 企業で事務を続けて 9 年目になる。
週末の朝、娘が保育園で借りてきた絵本をめくりながら「ママもこういうの作りたかったんだよね」とつぶやいた。夫は「今からでもいいじゃん」と返したが、山田は笑ってごまかした。絵は描けない。ストーリーは浮かぶけれど、形にする技術がない。 7 年前、イラストレーターの専門学校に通うことを真剣に考えたが、結局仕事と育児の両立が現実的ではないと判断し、ノートにアイデアだけ書き溜める日々が続いていた。
2026 年 2 月のある夜、SNS で「AI で絵本を作った」という投稿を見かけた。画像生成 AI を使えば、絵が描けなくても自分のイメージを形にできるという。半信半疑でスマホを開き、検索してみた。すると、対話型 AI にストーリーを相談し、画像生成ツールでビジュアルを作り、自費出版まで進めた人が 2026 年に入って急増していたことを知る。
「私にもできるかもしれない」。そう思った瞬間、7 年ぶりに心が動いた。
対話型 AI との偶然の出会い
翌週、山田は無料で使える対話型 AI にアクセスした。最初は「絵本のストーリーを考えています。3〜5 歳向けで、やさしい気持ちになれる話がいいです」と打ち込んだ。
返ってきたのは、森の動物たちが協力して小さな家を建てるストーリー案だった。具体的な登場人物、場面ごとの展開、セリフまで提案され、山田は驚いた。これまでノートに殴り書きしていたアイデアが、わずか 5 分で物語の骨格として整理された。
「これ、もう少し主人公のウサギを内気な性格にしたいです」 「承知しました。では第 1 場面でウサギが森の仲間に声をかけられず困っている描写を入れましょう」
まるで編集者と打ち合わせをしているような感覚だった。山田はその夜、1 時間で 12 ページ分のプロットを完成させた。
次は絵だ。画像生成 AI のサービスに登録し、「内気なウサギが森の入り口に立っている、水彩タッチ、やさしい色合い」とテキストで指示を出した。数秒後、スマホの画面に現れたのは、山田が 7 年間頭の中で思い描いていたウサギそのものだった。目が潤んだ。
ただし、生成された絵は毎回少しずつ違う。キャラクターの一貫性を保つため、同じ構図指示と参考画像を繰り返し使い、70 枚以上生成してようやく 12 ページ分の絵を揃えた。これには 2 週間かかった。
最初の1ページが完成した朝
3 月末、山田は自宅のプリンターで試しに 1 ページ目を印刷してみた。A4 用紙に出力されたウサギの絵と、その下に配置した手書き風フォントの文章。
「できた」
声に出して言った。娘が「ママ、それなに?」と覗き込んできた。「ママが作った絵本だよ」と答えると、娘は目を輝かせた。その反応が、山田を次のステップへ押した。
4 月、山田は HAIIA の認定資格 の存在を知る。AI 活用スキルを体系的に学べるプログラムがあると知り、無料の説明会に参加した。そこで学んだのは、AI はあくまでツールであり、何を作りたいか・誰に届けたいかという軸を自分が持つことが最も重要だということだった。この考え方は HAIIA の3つの軸 でも明確に示されており、山田は「技術に振り回されず、自分の夢を動かす」という姿勢を再確認できた。
5 月初旬、山田は 12 ページの絵本データを PDF にまとめ、オンデマンド印刷サービスに発注した。製本費用は 1 冊あたり約 800 円。まずは 10 冊だけ作り、家族や友人に配った。
「これ、本当に売れるよ」と夫が言った。山田は笑ったが、その言葉が嬉しかった。7 年前、諦めた時には誰にも見せられなかった夢が、今は手に取れる形になっている。
これから先の「動かし続ける」
山田は今、2 作目の構想を対話型 AI と練っている。今度はもう少し複雑なストーリーに挑戦するつもりだ。また、同じように AI を使って創作活動を再開した仲間とオンラインでつながり、互いの作品を見せ合うコミュニティにも参加し始めた。仲間募集 のページを通じて知り合った人たちの中には、イラスト、音楽、小説とジャンルは違えど「諦めかけていたものを AI と一緒に動かし始めた」という共通点があった。
山田が使った AI ツールは、すべて無料プランまたは月額 3,000 円以内で利用できるものだった。特別な機材も、専門学校の学費も必要なかった。必要だったのは、「いつか」を「今日」に変える決断だけだった。
絵本はまだ市販されていない。でも、それでいい。娘が寝る前に読み聞かせをする時、「これ、ママが作ったんだよ」と言える。その事実が、山田にとって何よりの報酬になっている。
明日、また 1 ページ進める。AI と一緒に。
よくある質問
AI で作った絵本は、自分の作品と言えるのか?
AI はあくまで道具であり、ストーリーの構想、キャラクター設定、場面の指示、最終的な編集判断はすべて作者が行う。画像生成 AI に指示を出す際も、何度も微調整を重ね、自分のイメージに近づける試行錯誤が必要になる。楽器が弾けなくても作曲ソフトで曲を作れるように、AI を使った創作も立派なクリエイティブ活動だと考えていい。
絵が描けなくても、本当に絵本は作れるのか?
2026 年現在、画像生成 AI の精度は飛躍的に向上しており、テキストでの指示だけで高品質なビジュアルを生成できる。ただし、キャラクターの一貫性や細部の調整には時間がかかる。山田さんのケースでは 70 枚以上生成して 12 ページ分を選んだように、試行錯誤は避けられない。それでも、従来のように何年もデッサンを学ぶ必要はなく、3 ヶ月あれば形にできるというのが 2026 年の現実だ。
AI を使った創作活動を始めるには、何から手をつければいい?
まずは無料の対話型 AI サービスにアクセスし、自分のアイデアを文章で伝えてみること。ストーリー、キャラクター、場面構成など、思いつくままに相談してみる。次に、画像生成 AI の無料プランで 1 枚だけ生成してみる。最初の 1 枚が形になった瞬間、「できるかもしれない」という感覚が生まれる。そこからが本当のスタートだ。
About Haiia Notes
HAIIA(健全AI教育協会)が運営するメディア。AI で諦めた夢にもう一度火をつけるためのニュース・実践記事・レポートを、毎日お届けしています。