画力ゼロから、AIと3ヶ月で絵本12話を完成させた話
美大受験に失敗し、絵本作家の夢を諦めた36歳のIT会社員・佐伯。2026年2月、生成AIとの出会いが15年ぶりに創作の扉を開いた。週末2時間、AIと対話しながら積み重ねた3ヶ月の記録。
36歳のIT企業勤務・佐伯は、2026年2月の週末、久しぶりに古いスケッチブックを開いた。そこには20歳の頃に描いた、ぎこちない動物のキャラクターたちが並んでいた。「絵本作家になりたかった」 ——その夢は、美大受験の失敗とともに15年前に終わったはずだった。
しかし、その日から3ヶ月後の2026年5月、佐伯の手元には 12話分のデジタル絵本 が完成していた。画力はゼロのまま、彼が手にしたのは生成AIという新しい「筆」だった。
諦めた背景――画力不足という壁
佐伯が絵本作家を夢見たのは、高校2年の秋だった。図書館で偶然手に取った海外の絵本に魅了され、自分も「物語と絵で誰かの心を動かしたい」と思うようになった。
美大の絵画科を目指してデッサン教室に通ったが、才能の壁は厚かった。浪人1年目の冬、予備校の講師から「このレベルでは厳しい」と告げられ、受験そのものを断念。21歳の春、佐伯は絵筆を置いた。
その後は地元の国立大学に進み、プログラミングを学んで都内のIT企業に就職。仕事は順調だったが、心の奥底には「いつか絵本を」という想いが燻り続けていた。
転機は2026年2月、SNSで目にした1枚の画像だった。「ChatGPT Images 2.0で描いた絵本風イラスト」というキャプションとともに、細部まで丁寧に描かれたキャラクターが並んでいた。日本語のセリフも自然に配置され、まるでプロの絵本のようだった。
「もしかしたら、自分でもできるかもしれない」 ——その夜、佐伯は15年ぶりにスケッチブックを引っ張り出した。
AIとの出会い――具体的なツールと手順
佐伯が最初に試したのは、対話型AIで物語の骨組みを作ることだった。「森に住む臆病なウサギが、勇気を出して友達を助ける話」という大まかなテーマを入力すると、5分で12話分のプロット が返ってきた。
次に画像生成に挑戦した。当初は無料ツールをいくつか試したが、キャラクターの見た目が話ごとにバラバラになってしまう問題に直面した。調べてみると、キャラクター一貫性を保つには「参照画像」と「詳細なプロンプト」が鍵 だとわかった。
佐伯が最終的に選んだツール構成は以下の通り:
- 物語設計: 対話型AI(プロット・セリフ生成)
- 画像生成: Adobe Firefly AI Assistant(2026年4月15日発表の最新版)
- レイアウト: Canva(AI機能で自動配置)
まず1話目のキャラクター「リコ」(臆病なウサギ)の設定を詳細に書き起こした。毛色、耳の形、表情のパターン、服装まで、A4用紙2枚分のキャラクターシート を作成。これを参照画像として各シーンの生成に使った。
最初の壁は「表情の自然さ」だった。AIが生成した笑顔が不自然で、何度も生成し直すうちに2時間が経過した。しかし、プロンプトに 「絵本らしい柔らかさ」「子どもが安心する表情」 という言葉を加えると、明らかに品質が上がった。
週末の土曜午前2時間、日曜午前2時間の計4時間を創作時間に充てた。1話あたり平均3週間、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつコツをつかんでいった。
最初の「できた」の瞬間
2026年2月末、1話目が完成した夜のことを佐伯は今も鮮明に覚えている。
画面に映し出された8ページの絵本を、5歳の娘に見せた。娘は目を輝かせて「リコかわいい!次はどうなるの?」と食いついた。妻も「これ、本当にパパが作ったの?」と驚きの声 を上げた。
「自分の手で、物語を完成させた」という実感が、15年ぶりに胸に広がった。翌朝、会社への通勤電車の中で、佐伯は思わず笑みがこぼれた。
その後は加速度的にペースが上がった。2話目は2週間、3話目は10日で完成。キャラクターの表情パターンを30種類ストック し、シーンに応じて使い回すことで効率が上がった。プロンプトも洗練され、1シーンの生成時間は当初の30分から 平均8分 にまで短縮された。
4月末、ついに 全12話が完成 した。トータル制作時間は約96時間(週末4時間 × 12週)。画力ゼロの自分が、3ヶ月でシリーズ作品を完成させたという事実に、佐伯自身が一番驚いていた。
これから――次のステップへ
完成した絵本は、まず家族と親しい友人に見せた。娘は全12話を何度も読み返し、「リコのぬいぐるみが欲しい」とせがむようになった。友人の1人は教育関係の仕事をしており、「小学校の読み聞かせに使えそう」と前向きな反応をくれた。
佐伯は今、セルフパブリッシング を検討している。印刷コストを調べると、オンデマンド印刷サービスなら1冊500円程度で製本できることがわかった。まずは50冊作り、知人や地域のイベントで配ってみる計画だ。
「絵本作家」という肩書きにはまだ遠いかもしれない。でも、15年間諦めていた夢が、確かに動き始めた。 AIは佐伯の画力を補ってくれたが、物語のテーマ、キャラクターの設定、シーンの構成は、すべて佐伯自身が考えた。
生成AIは「代わりに作ってくれる」ツールではなく、「一緒に作る」パートナー だった。佐伯は次のシリーズ構想も既に頭の中にある。今度は「リコの友達」を主人公にした冒険譚だ。
週末2時間、AIと対話する時間が、佐伯の人生に新しい色を加えている。
よくある質問
絵が描けなくても、AIで絵本は作れますか?
はい、作れます。ただし 「物語を考える力」と「何度も試行錯誤する粘り強さ」 は必要です。佐伯のケースでは、1シーンあたり平均5〜10回の生成を繰り返し、理想に近い画像を選んでいました。AIはツールであり、魔法ではありません。あなた自身のビジョンを明確にすることが、成功の鍵です。
どのくらいの費用がかかりますか?
佐伯が使ったツールの月額費用は以下の通りです:
- 対話型AIの有料プラン:約2,000円/月
- Adobe Firefly:約1,500円/月(画像生成クレジット込み)
- Canva Pro:約1,200円/月
合計で月4,700円程度。3ヶ月で約14,000円の投資で、12話分の絵本が完成しました。オンデマンド印刷は別途費用がかかりますが、デジタル配信なら追加コストはゼロです。
AIで作った作品に著作権はありますか?
2026年5月時点では、生成AIが出力した画像そのものには著作権が認められないケース が多いですが、「あなたが構成した物語全体」や「独自の編集・レイアウト」には著作権が発生する可能性があります。商用利用を考える場合は、利用規約を確認し、必要に応じて法律の専門家に相談することをおすすめします。佐伯も、将来的な販売を見据えて、HAIIA の認定資格 でAI活用の法的知識を学ぶことを検討しています。
あなたの「いつかやりたかったこと」は何ですか? それが絵本でも、音楽でも、小説でも、生成AIはあなたの創作を後押しする強力な味方になります。佐伯のように、まず週末2時間から始めてみてください。諦めた夢は、思ったより近くで待っているかもしれません。
AIと一緒に夢を動かし始めたい方は、HAIIA の3つの軸 で自己実現のヒントを、仲間募集 で同じ志を持つ仲間を見つけてみてください。
本記事で紹介した事例は、複数の実例を基に構成したストーリーです。
About Haiia Notes
HAIIA(健全AI教育協会)が運営するメディア。AI で諦めた夢にもう一度火をつけるためのニュース・実践記事・レポートを、毎日お届けしています。